僕が彼女と出会ったのは、流行りのマッチングアプリ。
彼女とデートは今日で数回目
息苦しく感じてた、世間の雰囲気も緩和され、
今日は昼から彼女に会う事になっていた。
無邪気に微笑む彼女に手を引かれながら、
ショッピングや、他愛もない会話がとても楽しかった。
そんな束の間の楽しみの中で
時折見せる、彼女の表情、そして細かな仕草
それは、何処か艶っぽく、色気を漂わせていた。
下心なんか無い。といえば嘘になる。
寧ろ、最初からある程度は期待していたわけだが
だけど、その気にさせるトーク力も
アルコールの力でワンチャンなんて
甲斐性も僕にはなかったわけで
きっと、今日も同じように・・・
風は涼しかったが、初夏を思い起こすような、
少し歩けばうっすら汗が滲むような日だった為か
半日あるいて僕はヘトヘトだった
気が付けばもう日も落ちて、いつもだったらお別れする時間
「今日も楽しかった」そんな言葉を発しようと彼女に視線を合わせると
突然、彼女は「たまには飲みに行こう」と言い出したから驚きだ。
僕の答えなど聞くより早く
彼女に再度手を引かれ、僕らは一件の店に入った。
食事も美味しかった気はするが
酔いが回り、徐々に色っぽい表情を見せ始める彼女に
自分の中の「下心」を悟られぬように必死で、
正直、味も、香りも殆ど覚えちゃいない。
逆説的に言えば、僕が「下心」を持っているからこそ
そう見えていたのかもしれない。
終電も迫っている
「もう、だいぶいい時間だね。そろそろ」と僕が言うと
「そうだね」と言いながら、
彼女がお手洗いへと、席を立った。
こんな僕でも、こういう時どうすればいいか知っている。
こういう時は、彼女が戻ってくる前にお会計を済ませておくのがスマートってものだ。
そうこうしているうちに
彼女が戻ってきて、突然、僕の隣に座り、肩を預けてきた
「ホテルとってあるんだけど・・・」
春物の服の上から伝わる、体温はアルコールのせいだけではないと
彼女の視線で確信した。
まるで、すべて見透かすように
いや、きっと、最初から見透かされていたんだろう。
僕が無言で頷いた時、
彼女の表情が、食後のデザートを待ちわびる子供のように見えたのは
恐らく、気のせいじゃないはずだ
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