邦夫はホテルで初めて容子を抱いた。それ以来彼女が忘れられず勤務先の雑誌社に度々電話したが、なかなか連絡が取れなかった。彼女は作家の玉井が原稿が遅れているので、ホテルに缶詰めにしていたのだ。ようやく逢う約束をして新宿・歌舞伎町のカフェバーで待つことになったが、歌舞伎町には苦い思い出がたくさんあった。何年か前にその頃好きだった由美子が目の前で根本に犯されながら何もできなかった…。
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