漁農村では労働里子の慣習が見られ、里親は里子に衣食住を提供し、その代償として、里子は労働力を提供した。この慣習は、都市部の工商階級にも散見し、奉公人との区別がつきにくいが、奉公人は、雇用人が労働対価を支払う労働契約に基づく関係であるのに対し、里子の労働対価は「育てて貰う代償」に相殺された。いずれの場合も、‘多くの**の**化、労働力の搾取、あるいは養育料搾取などの形をとるなど、まことに忌まわしい事実が、広義の里子として存在した’といわれ、平安時代の貴族的因習とは掛け離れた慣習として広まり、定着していた実態が窺える。
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