「…誰かにとっての特別ってないのかもしれない…トラウマをありがとう」涙ながらに語る本田莉子。そんな意味深なオープニングで始まる本作品。この作品は、”人と向き合うこと”をテーマに、主演の本田莉子&女性監督の真咲南朋、そして、ひとりのAV男優との3者による”精神的領域にまで踏み込んだ”ドキュメントである。仕事の枠にとらわれないSEXをしてみたいと語る彼女。そして現場にやって来るのは一番のお気に入りのAV男優。この2人は果たして「ほんきのセックス」が出来るのか?「そのキャラ、作ってるでしょ?」と、周囲から疑惑の目を向けられて来たことに対し、深く傷ついていた彼女。男優は、その独特のキャラが”作ってるわけじゃないことは分かっている”と伝える。その一言をきっかけに、急速に縮まっていくお互いの距離。やがて甘い映画のワンシーンみたいに恋愛感情の芽生えが訪れ、いちゃいちゃ愛しながら、虚飾を取り払ったSEXへ。男優に心を許し、ある種の恋愛感情にのめり込んでいく彼女。「他の女の子が出てくる話をしないで…」盛り上がって止まらない”好き”という感情。しかし、その気持ちが前へ前へと傾いていくに内に、この作品の裏テーマである『嫉妬心』がじわじわと浮かび上がってくる。本田自身も自己の嫉妬感情に関しては「鬼っす!」と独特の表現で答えている通り、のめり込んだら止まらない依存体質なのだが、この後、彼女の中にある”心のひだ”を鋭くえぐるような”とある実験”が行われる。それは彼女の嫉妬心を煽ること。そして、本気のSEXを撮ること―。 ここからの衝撃の展開はぜひ本編を観て欲しいので割愛するが、素晴らしいという賛辞の言葉と同時に、彼女のファンにとっては目を背けたくなるような場面も多数描かれている。でも。いや、だからこそ、お仕事モードを超えた生身の本田莉子が見られるはず。ぜひとも目を背けず観て欲しい一作!
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