銀座のとあるカフェでこじ◯る(仮)とランチを楽しむ私。彼女はステーキ、私は挽肉とトマトのチーズ焼きを選ぶ。
注文がくると案の定、店員が料理を逆に置いていった。店員が去った後にお互い顔を見合わせると、二人の表情には笑いがこぼれていた。フードシェア(「アーン」を互いにしつつ、距離感を縮めるテクニック)。少しの表情の変化、仕草、雰囲気の変化さえ見逃さないように、注意深く、そしてそれを悟られないように観察する。感触は?
———悪くない。
彼女が付き合った人数は3人。経験人数は2人。酒を頼みつつ、さらに掘り下げていく。彼女がバージンを喪失したのはなんと、つい2週間前の出来事だった。1人目と付き合ったのは短大のときで、身体の関係はなかった。2人目は付き合ったが、1週間で別れてしまう。3人目はワンナイト・ラブ。
清楚系の見た目から想像もつかないが、きっと2人目でタガが外れてしまったのだろう。一度崩壊した女性の貞操観念は、ほとんどの場合、再構築できない———。
彼女の話を聞きながら、私はこの後のシナリオを脳内で明確に描いていた。食事が終わり、席を立つ。会計をしようとすると、彼女も財布を出してきた。私はデートのお金を出すのはやぶさかではないが、それを当たり前と思っていて態度に出してくる女性は苦手だ。
「払うよ?」
彼女が財布を出しながらいった。私は首を横に振った。
「今度、ハンバーグでも作ってよ。」
笑いながら、私はそう答えた。
「え、それめっちゃ私の方が安いよ?いいの?(笑)ありがとね。ごちそうさま。」
彼女は笑いながらいった。外に出ると、相変わらずの冷たい空気が二人を覆った。
「寒いね。手、冷たい?」
私は、そう言いながら横断歩道で信号待ちをしている彼女の手を握った。グダはなかった。
「渋谷へ飲みに行こう。」
私がそういうと、彼女は笑顔で頷いた。そのままタクシーで渋谷まで移動する。世間話をしていると、程なくしてホテルまで到着した。
「めちゃくちゃ美味しいシャンパンあるから、一緒に飲もう。」
彼女は笑っていた。勝利は目前だった。
頭をゆっくりと撫で、目を見つめる。彼女のボリューム感溢れる肉体に酔いしれた。長時間に渡り、互いを求め合っていた。
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