「またゴムをどっかに隠してるんじゃないか?」
と頭によぎった。
見つけたくないのに、見つけたかった。
見つけたいが見つからないで欲しかった。
前回の隠し場所にはもちろん無い。
あー、やっぱり出会い系も見てる分なら
もういいじゃん、と思いつつ
普段触ることの無い棚に目をやると
封の空いたゴムの箱があった。
数を数える。6個
12個入りなので少なくとも
6回はなにかしらで使い、
合鍵をもたしてる
部屋に連れ込んでヤッってる。。。
なんかもう全て真っ黒真っ黒真っ黒けじゃん
なーにがいつまでも一緒だ!
自分の間抜けさ加減とAの性欲の限りなさに笑けてきた。
残りのゴムを引きちぎりながら
ゴミ箱に捨てて、チャイムが鳴ったので
トイレに隠れた。
Aが帰ってきた。
ゴミ箱には気づいてない様子。
テレビを見て笑っているAに
「またゴムみつけちゃったんだけど」
とかます。
「!なんで部屋さぐるの?」
「もー、あれは前からある奴っていってるじゃん」
「前回のは俺が隠した。今回のは明らかに新しいし、別のモノだった」
「そんなわけないでしょ、気にしすぎだって」
「じゃあ捨ててよ」
「なんで捨てなきゃいけないの?」
(なんか書いてて腹立ってきた上に可笑しくなってきた)
そんなやり取りを続けながら沈黙が続き…
Aは寝やがった。
なんか、もう言葉がなかった。
そりゃ、たしかに、
せめる立場じゃござんせんけど?
寝るってなにさ?
いいくるめる気もないわけ?
てか寝落ちで逃げるとかわけからん。
普通なら横っ面ぶん殴って
起してでも続けるんだろうけど
なんかそこまでの労力を使う気になれず
テレビもなにもかもつけっぱなしで帰った。
次の日、メールを無視してると
A「明日の休みのは出かけるのなし?」
「ヤリチンとはいきません」
A「意味わかんない事言わないで、じゃあいかないんだよね?」
「だから、ヤリチンとは行かないから」
A「そっか、わかった…」
Aは頑なに認めようとはせず、スルーしまくっていた。
俺への手前なのか、認めたくないだけなのか。
Aには
「もうAはやりたいようにやればいいよ」
と送った。
A「何!?どうせ言うほど俺(A)の事好きじゃないんだ!」
「だから、好きだけど、もうAは好きにしなよ、俺よりもっと懐ふかくて
猜疑心のない器のでっかい、身も心もかっこいい奴みつけなよ」
A「何を偉そうに、結局相方と居る癖に!」
相方と居る俺へのあてつけで遊んでるとは思えないし
いてもいなくてもやるんじゃんか…
もうこれで終わりかな…
しんみりしていたら
出会いアカウントにAから
「今夜遅く、会えませんか?」
もう笑った、声を出して。
Aにはなりすました事を言うつもりもなかったが、
とにかく食らわしたかった。
攻撃力最大だけど自分も瀕死を負う諸刃の剣とはこの事である。
俺「言うつもりなかったけど、嫌われる覚悟で言うね。別アカウントとれば、Aのページ見られるんだよ」
A「だから?ブロックしろとか言ったくせに意味わからん」
俺「でさ、俺の事、悪魔悪魔ってせめてたじゃん、ほんとに悪魔かもね」
俺「別アカとって、俺がなにすると思う?」
そして出会い系のアカからAに
「信じられなくてごめんね」
と送信した。
しばらくAからはなにもなく
2時間ぐらいして…
A「お互い心底失望したね、もう連絡とりあうのはやめましょう。相方さんとお元気に。」
俺「結局お前の言ってた好きだなんだってこの程度じゃんかよ!」
A「はぁ?何年間も同棲してるくせに自分の事棚に上げてよく言うわ!つーかここまでするとは思わなかった。
ほんっといい性格してるね、君。」
俺「カギは置いてきたから。」
373MB、25:57、MP4
サイズ:640*480
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